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「わたしの小さな旅」同好会

[団体・任意団体]

雪女始末記(1) 五福 長光寺 [街のお宝、地元遺産]
2008-03-01 18:46:25
私は、40年間勤務した(株)不二越を無事定年退職で迎えた。第二の
人生を歩み始めたのが平成五年であった。平成六年三月十五日より完成間
近の富山県警察本部庁舎に幸運にも勤務することになった。仕事は現代技術の粋を集めて建設された、富山県の警察業務の中枢を司るインテリジェントビル(11階)の設備管理である。
勤務は本格的に業務を開始した平成六年六月一日から三日に~回の勤筋で
一回の勤務は24時間である。
平成八年一月一日より富山県内の寺社巡拝を計画し、山王さん(日枝神
社)を第一歩として歩み始めた。
その日は、平成八年一月末の大雪の日であった。正確には二月一日の午前
二時すぎである。トイレにゆきたくなってベットから起きて中央監視記か
ら外を見ると、音もなく雪はしんしんと降っていた。「これは大雪になる
ぞ」と思いながらドアを開けて廊下に出ると、当直の警官の方が一人で本
を読んでおられるのが窓越しにみえた。
廊下やアトリュウム(県民広場)の空気は冷えていた。トイレをしてアト
リュウムに出た時、なにげなく正面玄関の方を見ると、松川をはさんで'’
十二峰橋ごしに見える富山城壮公園に雪が降りつづき、うす暗がりに公園
の木々が森のように見える。
橋の向こうの常夜灯あたりか東屋あたりだろうか、そこだけが明るくボッ
カリと人影が浮かんで見えた。なんだろうとアトリュウムの一番前まで十
四、五米近寄って、ガラスに顔をくっつけるようにして見た。そこには雪
の降りしきるなか、見たこともないような美人だが、どこか寂しげな表情
をした女の人がいた。髪にはカンザシをさし、着物は振り袖姿で着物の柄
まではっきり見える。なぜかぼかした写真のように足元がぼやけて見えた
。「アッ これは何かで見た雪女でないか」……幻なのか……夢を見て
いるのではないか? …つづく 藤田勇信著「私の小さな旅」より
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