雪女始末記(5) 五福 長光寺 [街のお宝、地元遺産]
2008-03-06 00:10:26
「ちょっと待って、調べて上げるから」と、奥から五福郷土誌を持ち出して調べてもらってやっと目指す寺にたどりついた.五福山長光寺は古い歴史あるお寺である。昔は真言宗の寺であったが現在
では浄土真宗のお東の寺である。建て込んだ五福の市街地にあって、大き
な甍を輝かせていた。
お寺の奥様が親切に案内してくださった。お寺の横から後にかけて墓が立
ち並んでいる。お寺の裏に大きな樺の木があり~その横手にある大きな墓
が早百合姫の入っている墓だと教えていただいた。墓石の上の方に屋根み
たいなものがついていて、南無阿弥陀仏と六字の名号が書いてある。
近くの墓と比べて飛び抜けて大きく、たぶん先祖は五福の名主などしてい
た名家でないかと思うが、定かなことは分からない。
心をこめてお経を上げ、自分が見た雪女が早百合姫であったなら、静かに
成仏されるよう手をあわせ、夕日さす長光寺と早百合姫に別れを告げたの
である。
蛇足
明治生まれの母には、バックボーンがあった。自分が信じ良いと思う事
を教え、しつけをした。それが今日の自分を形成している大きな要因にな
っているのだと思う。恐いもの見たさと言うのか、それが習い性となって
病み付きになった。仕事で泊りの夜など、トイレに行ったときは必ず城祉
公園を見るようになった。
雪女も早百合姫とは限らないが自分でそう思い込んでいる。文章を書くう
えで早百合では失礼だし、早百合ちゃんでは慣れ慣れしい。姫ではないが
早百合姫とした。
あれから三年雪女は現われない。今後も再び現われることはないと思う。
早百合姫よ安らかであれ……
雪女と出会って三年の月日が流れ去った。
現代に雪女や幽霊はいるのであろうか?
しかし雪女の話はフィクションではなく事実
である。信ずるか信じないかは読む人の自由
である。誤解を招きかねないが、あえて自分
の体験記として、書き残すことにした。
平成11年5月2日 藤田勇信
…完 藤田勇信著「私の小さな旅」より